Canvaで作ったロゴ、実は商標登録できないかも

こんにちは!デザイン事務所 しろくまデザイン です。
近年、ロゴを簡単に作れるツールがたくさん出てきていますね。
「ロゴはCanvaで作った・作ろうかな」という方も多いと思います。
でも、ちょっと待ってください。
Canvaで作ったロゴ、商標登録しようとしても、できないかもしれないんです。
Canvaにはネガティブな話でごめんなさいですが、
ユーザーの方のビジネスが成長してきて「そろそろ商標を取っておこう」と思ったとき、
「あ、このロゴじゃダメだったのか」とならないために、今日はこのことを解説しておこうと思います。
商標登録って、そもそも何のためにするの?
商標登録とは、自分のロゴやブランド名を特許庁に登録して、独占的に使う権利を得ることです。
登録すると、
・同じ(または似た)ロゴを他社が使えなくなる
・真似された場合に法的に対抗できる
・「うちのブランドはちゃんと守られている」という信頼感になる
といったメリットがあります。
ビジネスが軌道に乗ってきたとき、商品展開やフランチャイズ展開を考えるとき、商標登録はとても重要な選択肢になってきます。
Canvaで作ったロゴが商標登録できない理由
では、なぜCanvaで作ったロゴは商標登録が難しいのでしょうか。 大きく2つの理由があります。
理由①:Canvaの利用規約で明確に禁止されている
まずこれが一番のポイントです。
Canvaの公式ヘルプには、こんな記載があります。
「Canvaのロゴテンプレートはカスタマイズ可能で、誰でも使用することができます。つまり、ロゴに対するあなたの権利は、非独占的なものであり、あなたはそれを商標として登録することはできません。」
テンプレートを使ってカスタマイズしても、フォントを変えても、色を変えても、Canvaの素材を1つでも使っている限り、原則として商標登録はできない、ということです。
理由②:商標に求められる「独占性」がないから
商標登録には、そのマークがあなただけのものである必要があります。
ところがCanvaのテンプレートやアイコン・イラスト素材は、世界中の何百万人というユーザーが同じものを使える状態になっています。
Canvaに限らずですが、テンプレートを使用するということは
「このロゴ、うちのロゴと同じじゃないか!」ということが起こります。
特許庁も「他の人も同様に使える素材で作られたロゴ」には、独占権を認めません。
じゃあ、Canvaは全部ダメなの?
そんなことはありません。 実は例外があります。
Canvaの公式ヘルプによれば、
「Canvaで一からユニークなロゴを作成する際には、Freeライブラリーから基本的な線やシェイプを使用することができます。また、すべてのフォントを使用することができます。」
つまり、こんなケースなら商標登録の可能性があります。
✅ 商標登録が認められる可能性があるケース
・ Canvaの「○」「□」「—」などのシンプルな図形だけの組み合わせ
・ テンプレートやアイコン素材を一切使っていない
・ 自分で描いたロゴをCanvaにアップロードして使った
❌ 商標登録が難しいケース
・ Canvaのアイコン・イラスト・写真素材を使っている
・ テンプレートをベースにカスタマイズした
・ フォントを変えただけ、色を変えただけ
「少しカスタマイズしたからOKだろう」と思いがちですが、素材を1つでも使っていれば基本的にはアウトです。
「でも今まで普通に使ってきたけど?」という方へ
日常的な商用利用(名刺に載せる、ホームページに使うなど)は、Canvaの規約上は問題ありません。
「商用利用OK」と「商標登録OK」は、まったく別の話です。
ロゴを商標登録したいなら、どうすればいい?
選択肢は3つあります。
① Canvaでゼロから作る(図形・線・フォントのみ使用)
一切の素材を使わず、シンプルな図形やフォントだけで構成すれば可能性はあります。ただし、デザインの自由度はかなり限られます。
② 自分でオリジナルデザインを作る
手描きやIllustratorなどのソフトで、完全オリジナルのデザインを作る方法です。デザインの知識が必要ですが、独自性という意味では一番確実です。
③ プロのデザイナーに依頼する
デザイナーはゼロからオリジナルのロゴを作るため、商標登録も見越した上でデザインを設計してもらえます。ただし、商標登録の出願・調査は、弁理士さんへの依頼が確実です。
「著作権」の問題
商標登録の話をしてきましたが、もう一つ知っておいてほしいことがあります。それが著作権です。
「商標権」と「著作権」は、別の権利です。
商標権 → 特許庁に申請して初めて発生する権利
著作権 → 作品を作った瞬間に自動的に発生する権利
Canvaの利用規約によれば、テンプレートやアイコン・イラストなどのコンテンツの著作権は、CanvaまたはCanvaに素材を提供したクリエイターに帰属します。
ユーザーが得られるのは、規約の範囲内で「使う権利(ライセンス)」だけです。
つまり、どれだけ手を加えてカスタマイズしても、
素材を使っている限り「自分が著作権を持つオリジナル作品」とは言えないのです。
まとめ
Canvaは商用利用OK、でも商標登録は原則NG
・理由は「非独占的ライセンス」と「識別力の欠如」
・例外はあるが、条件はかなり限定的
ロゴをデザイナーに依頼したり、作り直しは手間もコストもかかりますが、ブランドが育ってからの変更はもっと大変です。
Canva以外にもロゴ作成ツールはたくさんありますが、
事業で使い始める前に、商標登録や著作権など権利に関する内容は確認しておいた方がよさそうです。
長期的なビジネスをお考えでしたら、最初からオリジナルロゴを作っておくのが安心です。
ロゴデザインをプロに頼んでみようかなという方は、まずはご相談だけでもお気軽にどうぞ!
【商標権・著作権に関するご相談について】
商標については弁理士または、INPIT 知財総合支援窓口 にご相談ください。
著作権のトラブルについては弁護士へご相談ください。





